器は増える。料理は増えない。
一人暮らし時代とは違って、料理をすることが圧倒的に増えた。
気分で作ったり作らなかったりした頃とは別世界。半強制的に台所に立つ時代がやってきた。
自分も親になったのだ。
台所に立つ意味、楽しむ方法を日々考えている。
そうだ、器がいた。少しずつ集めている器たちのことを。割らないようにとか、電子レンジ厳禁だからとか、
食洗機不可だから出動回数が少ないものだったり。
そもそも器に目覚めたきっかけは、器好きの友人からの結婚祝いだった。
木のお皿。かなりの器好きなので、厳選されていると思うと、持っている自分の高揚感を味わえる。
人生で初めて手にした木の食器。皿洗いが嫌いな自分は、何も気にせず食洗機にかけていた。しっかり乾燥まで。
どおりでふちがガジガジしてきたわけだ。
さかのぼると、息子を妊娠中に益子陶器市へ初めて行ったことがある。
人気の作家さんとか知らないので一通り巡っていたら出会った辻紀子さんのそばちょこ。
雰囲気もよくて使いやすい。あと一つ買っておけばよかった。半年後に息子が生まれるとも知らずに。
あの日からつわりが始まったので、妊娠の記念品みたいになっている。
そういえば、0歳の息子を抱いて器屋さんへ出かけたこともある。井山三希子さんのポップアップで
勧められた花形レリーフのお皿。大事にしまいすぎて使ってなかったけれど、最近使い始めたら
レギュラーに昇格した。
もう一つある。モヘイムの無垢の木から削り出したカップ。持った瞬間から好きになった。
内側にペイントが飛んでて、見るたびにちょっとテンション上がる。
仕事柄、商談先で器と出会うこともある。
大阪の藤田金属を訪ねたとき、フォルムと色に惹き寄せられて購入させてもらった急須みたいなやかん、いや、やかんのような急須。直火はダメなやつ。急な来客に、対応できます。はい。できますが、そんなにお客さん来ないし、なんなら、ここぞってときに茶葉がなかったりする。たまーに出動。
伝統工芸展で出会うこともある。銀座松屋で見つけた石見焼きの器。注ぎ口がついていて可愛い。水溶き片栗粉を流すときに使えますよって販売員さんに言われて、こりゃあ料理の意欲が湧くアイテムじゃ!ひっひっひ!しめしめ!と思って入手しました。まだ使っていない。
そんな器たちの中で、一番気に入っているのは、先日家族で陶芸をしてきたときに作った猫のフードボウル。
ちょうど猫が調子悪くてエリザベスカラーをつけていたんだけど、そのときも首が引っかからずにご飯が食べられていたよ。台座が高くなっていて、ボウル部分に傾斜がついているからね。
選んだ器というか、自作した器が一番のお気に入り。
器は増える。料理は増えない。
でも、それでもいいと思ってる。
台所に立つ理由は、ちゃんと増えてるから。
同じように「器ばかり増えてる人」、きっといると思う。
▼モヘイムのコップだけ貼ります
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