空気の色|Vol.1 まだ音のない時間

朝光

まだ日が高く上がる前の朝。
公園の自動販売機の列に、斜めから光が差していた。
金属の表面に反射するその光が、いつもよりやわらかく見えた。

足もとには落ち葉がいくつか散っていて、
季節が少しずつ変わっていくことを静かに知らせていた。
無機質なものと、自然の気配が並んで見えるこの瞬間が好きだ。

太陽が雲に隠れたとき、影がふっと消えた。
そのとき、ああ、いま見えていたのは光そのものだったんだと気づいた。
光がまた戻ってくるまでの静けさを、
しばらくその場で眺めていた。

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この記事を書いた人

日々の何気ない出来事や、HSPとして感じる繊細な気づきを、肩の力を抜いて綴っていきます。17年のVMD経験をほんのり織り交ぜながら、無理なく気楽に続ける、そんなブログを一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

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