■ はじめまして。きにじーです。

今日から、この場所で文章を綴っていくことにしました。
私は46歳、一般企業のバイヤーとして働きながら、日々の暮らしや思考を整理するように文章を書いています。

タイトルに掲げたのは 「気にしいで、ざっくり暮らす」
これは、まさに自分自身をそのまま表している言葉です。

繊細すぎて立ち止まることも多いけれど、どこかガサツで、「まあいいか」と流してしまう自分もいる。
その矛盾に、ずっと戸惑ってきました。

でもあるとき、私は気づきました。
その矛盾の見方によっては、自分らしい感覚やものの見方が生まれてくるのかな、と。

時には芯のない自分に萎えたり、あの時こうしておけばよかった、など後悔したりします。たくさんの思考を巡らせながら暮らしている中で、思考の行き着く先に見えたもの、それは考えすぎた自分に心から笑えたり、異次元までも妄想して、別のアイデアが浮かぶこともあります。

■ 学生時代の一枚のデザイン画

提出したその絵を見た教授は、首をかしげながらこう言いました。

「君の絵は、大雑把なのか繊細なのか、わからないね」

その一言に、心臓をぎゅっとつかまれるような気持ちになったのを、今でも覚えています。

線は細かく描き込んでいるのに、全体の雰囲気はざっくりとしたラフスケッチのよう。
色も丁寧に塗り重ねているのに、完成度は“荒い”と言われる。

「どっちかにしたほうがいいんじゃないか?」
教授はそう言ったけれど、私はどうにもその二面性を手放せなかった。


■ 繊細と大雑把、矛盾する自分

あの言葉は、ずっと頭に残り続けました。

私は細部にこだわりすぎて時間をかけるタイプ。
でも、ある一線を越えると一気に“まあいいか”と手放してしまう。

絵を描くときも、料理をするときも、文章を書くときもそう。
部屋の片づけだってそうです。

「隅々まできれいにしたい」と思って始めるのに、途中で飽きてしまって、「見えるとこだけ整えばいいか」とざっくり終わらせる。

これは欠点なのか?
それとも個性なのか?

若い頃は、それがずっと自分のコンプレックスでした。


■ HSPとHSS、二つの顔

40代になってから、私は「HSP」という気質について知りました。
人よりも敏感で、音や匂い、相手の気持ちの揺れを強く感じてしまう人。

さらに調べるうちに、「HSS型HSP」というタイプがあることも知りました。
それは──繊細で傷つきやすいのに、同時に刺激や新しいことを求めてしまう人。

まさに、私のことだと腑に落ちました。

「繊細なのか大雑把なのか分からない」
教授の言葉の意味が、やっとここでつながった気がしたのです。


■ デザインと仕事に生きる二面性

今、一般会社でバイヤーをしています。
仕事の中でも、この二面性はよく顔を出します。

トレンドの色や素材を細かく分析して選ぶ繊細さ。
でも一方で、「理屈より直感」で、ざっくりと決断する瞬間も多い。

本来なら矛盾しているはずの二つの性質が、意外とこの仕事では役立っているのです。
細部を読み取る眼と、全体を動かす判断力。

学生時代には欠点にしか思えなかった自分の感覚が、今では武器になっている。
人生は不思議だなあと思います。


■ 暮らしにおける“ざっくり”の力

私生活では、この「ざっくり」がとても大切になっています。

HSPの気質を持っていると、暮らしはときに重たくなります。
家事や仕事、人間関係──細かく気にしすぎて、エネルギーを消耗してしまう。

だからこそ、あえて「ざっくり」でバランスをとるのです。

・掃除は“見えるところだけ”
・料理は“調味料ひとつでごまかす”
・人間関係は“無理しないでひと呼吸おく”

繊細であることを否定しない。
でも、完璧を目指さず、力を抜くところは抜いていく。

これが、私がやっと身につけた生き方のコツです。


■ 面白さとデザインの感覚

もうひとつ、大事にしているのは「面白い」と思える感覚です。

街角で出会う、ちょっと変な貼り紙。
カフェのテーブルの色と椅子の組み合わせ。
雑貨屋で見つけた、妙に心に残る形のスプーン。

そういう“くだらないけれど心が動く瞬間”が、私の毎日を支えてくれます。

それは、美大時代に教授から指摘された「とんがったところ」にも通じています。
人と同じではつまらない。
繊細さと大雑把さ、その両方を抱えているからこそ、私は自分だけの「面白い」を見つけられる。


■ このブログで伝えたいこと

私がこうして文章を綴るのは、同じように「矛盾した自分」を抱えて悩む人に届けたいからです。

繊細だけど大胆。
神経質だけどおおらか。
傷つきやすいけど冒険好き。

どちらかに決めなくていい。
その両方を持っているからこそ、人生は豊かになる。

このブログでは、
HSS型HSPの気質をもつ私の日常や、ファッション・インテリア・雑貨のこと、
そして「気にしいで、ざっくり暮らす」ための小さな工夫を、少しずつ綴っていきます。


■ 最後に

美術学校時代、教授から言われた「大雑把なのか繊細なのか分からない」という一言。
当時は悩みの種だったけれど、今振り返ればそれこそが私の個性でした。

矛盾したまま生きていい。
むしろ矛盾があるから、人生はおもしろい。

これからここで綴る言葉が、同じように迷う誰かの心を、ほんの少しでも軽くできますように。

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この記事を書いた人

感受性が強くて刺激好きな「HSS型HSP」
流行より自分の“ワクワク”を大切に、日常の違和感や美しさをキャッチ。
ざっくり気ままに、繊細さも面白さも抱える暮らしを発信中。

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